これなんだ?
答え――
■牛アキレス腱の刺身
コースの始まりが、これだった。
千駄木駅に「一富士」の案内が出ていた。
カウンター7席のみ、小体で粋な店だ。
予約の電話の時、ゴールデンウィークのため仕入れに制限があり、刺身系が少なくなるとのこと、丁寧な案内を聞いていた。
コースは2種類、釜飯が付くか否かが大きな違い。
釜飯が付いた¥5250のコースをお願いした。
まずは生ビール(確かプレミアムモルツ)。
超薄いグラスで飲み口が一段とよろしい。
後ろに写った、唐辛子一味と祗園原了郭の黒七味にも注目、ピンがあってないけれど。
そして、まず登場したのがトップ写真の牛アキレス腱。続いて、
■ギアラの醤油炒め(煮だったか?)
第4胃――“赤センマイ”とも――だが、胃というよりは腸の一部らしく“偽腹 (ギハラ)”が転じて“ギアラ”となったとか。←出典『食肉用語大事典』。
黒七味があう。
■すじ肉の煮込み
味噌ベースのまろやかな味わい。
好みで一味 or 黒七味。
確かこのあと、テール焼きが出たのだが、写真を撮り忘れた。
慙愧懺悔噬臍。後悔しきり、痛恨の失態だ。
だって、凄く美味かったから。
獅子唐を2片のテール肉で挟み、串焼きした物に、別小鉢で鬼おろしが添えられいた。
鬼おろしの上で串を外し、和えるようにしていただく。
テール肉がトロトロ。4時間以上煮込んだものを串に刺すのだそうだ。
薬味として柚子胡椒が付いていた(←記憶)。
■利き酒セットとスプラウト
利き酒セットはメニューにある日本酒から好きなものを3種自由に選べる仕組み。こちらも薄口グラス仕様。
箸休めにと出されたスプラウトもくせ者で、レッドキャベツ、マスタード、クレス、3種のスプラウトがブレンドされている。こちら、おかわり可能だ。
つづいて↓これ。
鴨ネギ ―― ウソだよ~!
■ハツ
わざと脂身を残してさばいてあるので、一見すると鴨胸肉のように見えてしまう。けれど、確かにハツ。歯応えがある。
また、残した脂がうま味をプラスしているようだ。
芥子と塩で。塩はロシア産岩塩。
■牛すじ大根
テールスープで煮込まれている。
テールだけでなく、玉葱などの香味野菜を炊き合わせてあるそうで、とてもまろやか。 黒七味があう。
■大信州
利き酒セットで飲んだ大信州が気に入って、単品注文。
手前の焼き物も、写真を撮り忘れた口で、食べかけ故、こんな感じでフレームアウトさせた。
こちらはヤンとハラミ。玉葱は新玉葱かな?
“ヤン”―― 前出の『食肉用語大事典』にも載っていない、第2胃(ハチノス)と第3胃(センマイ)の間の部分とのこと。希少部位だ。
コリコリしているが硬くはなく独特の歯応え。
このあと、箸休め的に、すばらしく甘いトマトが丸1ヶサーブされた。
写真撮ったのだが、画的には極々普通のトマトなので割愛。
ラス前。一転して、洋風のしつらえ。嬉しい驚きだ。
■ビーフシチューとレバーペースト
こういうスキを突くような変化がコース料理にはありがたい。
後ろの変わったクラッカーに乗っているのがレバーペースト。新玉葱が合わせられているそうで、そのおかげか、レバー特有の臭みは全くない。
手前、牛ほほ肉がホロホロに煮込まれている。(あらびきの黒胡椒がばっちりあっていた)デミソースがまたまた良い感じで……。
連れが「パンが欲しい」とこぼすと、店主さんが、パンは無いのですが、と代わりにクラッカーを出してくれた。
デミソースをクラッカーですくったさ!
そして、いよいよ〆の ――
■もつ釜めし
お焦げも出来ている。
モツの臭みとかベタつく脂っぽさは皆無。食べやすい。
スープをかけるとまたひと味美味くなる。
いやぁ、創作牛料理、堪能した。
で、最後に別注の
■自家製杏仁豆腐
「こちらも牛が使われています」って店主さんのさりげないジョーク。
確かに、牛乳が使われているのだけれど。
店の奥の棚。
撮りたかったのは、可愛い招き猫でも可憐な花でもない。
左の写真だ。(目敏い連れが見つけたもの)
こちらのお店の施工前の写真だそうだ。
コンクリートむき出しの壁、その向こう、逆光に佇む二人が2年前の店主と女将。
―― すてきな写真だ。
初心を忘れないために飾ってあるのだそう。
真摯な姿勢が、格好いー。

一富士 (割烹・小料理 / 千駄木駅、日暮里駅、西日暮里駅)
夜総合点★★★★☆ 4.0