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お岩稲荷探訪,他

過日のこと。六本木から雑司ヶ谷まで歩いた。

檜町公園を回り込んで赤坂小前で赤坂通りを横断。ちょうど昼時だったので「珉珉」で食事(←これが先の記事)。新坂を避けて、一本東の路を北上し、青山通りに出た。
Tk_park 出たところが、「高橋是清翁記念公園」である。【写真1st】
高橋是清。特許局の初代局長や日銀総裁を経て――歴代日銀総裁のなかで唯一その肖像が日本銀行券に使用された人物でもある――後に、首相、蔵相を務めた重鎮。この記念公園の地にあった自宅2階で、2.26事件の凶刃に倒れた。合掌。
この公園には他にもうひとつ、案内板がある。
「最初の赤坂区役所跡」の案内である。高橋是清が自宅を構えるその前、明治11年の都区町村の編成で東京が15区6群に区画されたおり、この地に赤坂区役所が置かれたのである。旧町名は“赤坂表町”。
ちなみに、芝区、麻布区、赤坂区、が統合されて港区となったのは昭和22年の話。

Gen_east_st_2 この公園で、トイレを借りて北上。
さて、先の「珉珉」記事で、散歩時のコース取りについて少しふれた。コース取りで悩ましいのが、幾つかの障害物である。“障害物”とはずいぶん不遜な言い方になるが、例えば皇居。あるいは、明治神宮、新宿御苑。で、高橋是清翁記念公園の北に広がる赤坂御用地などはその最たるものだ。無料で突っ切れる青山霊園や東京大学などはまだ良いのだが、赤坂御用地は東京のほぼ中央に位置し、ぴしゃりと門戸を閉じている。やむなく迂回するのだが、結構な道のりになるのだよ、これが。

外苑東通りを北上。【写真2nd】は途中で振り返って六本木ヒルズを見たところ。左手が赤坂御用地。ぽつんと立ちんぼ警備している警官が見えるだろうか? こんな風に赤坂御用地を取り囲んでいるのだ。ご苦労なことだ。

Sinsuke_sl 御用地を回り込むのが面倒で未踏の地であった信濃町駅すぐ東の首都高速&JR中央線高架下に向かった。で、おまけに付いてきたのだ高架下を抜けた先にあった新助坂、初めて歩いた。【写真3rd】、坂を登り切り振り返って撮っている。JP軌道が目線の下になっている。

次なるポイントが今回の主目的。新宿区左門町(四谷3丁目交差点南)、お岩稲荷。正確には「於岩稲荷田宮神社」と言うらしい。【写真4th】
『東海道四谷怪談』のあのお岩さんが祀られた神社である。
お岩の墓は巣鴨の妙行寺にあるのだが、こちらでは人神として祀っている。
歌舞伎役者が『四谷怪談』を舞台に掛けるときは、必ずお参りしたそうだ。怠ると祟りに見舞われたそうだ。

しかし、事実は大きく異なる。今回、足を運び資料をもらって判った事だが……。

Oiwa_inari 徳川家康の入府とともに駿府から江戸に来た御家人に田宮又左衛門という者がいて、その娘が岩であった。岩は婿養子に伊右衛門を迎え、仲のよい夫婦であったそうだ。収入の乏しい生活を岩が奉公に出て支え、岩が田宮神社を勧請したのち生活が安定し、神社は、土地の住民らの信仰の対象となった。
生活が向上した田宮家への妬み嫉みから、良からぬ中傷があったのも事実のようだが、そもそも『東海道四谷怪談』自体が、歌舞伎用の台本でしかないのだ。四代目鶴屋南北が――当時、江戸で起こった刃傷沙汰を参考に――市井の噂となった「岩」の名を借りて、想像力豊かに組み立てたものだ。
しかし、当時から歌舞伎が大衆娯楽の中心であったために、『東海道四谷怪談』の「お岩」が一人歩きするようになってしまい、今では怖ろし気なイメージがすっかり定着してしまった。
(京極夏彦の小説で後に映画化もされた『嗤う伊右衛門』は古典である鶴屋南北の『東海道四谷怪談』をベースにしている)

こぼれ話がある。時代が明治に入り、歌舞伎役者の市川左団次が「四谷まで毎度出かけていくのは大変だ」「新富座などの芝居小屋のそばに移ってほしい」と要望し、分社されてできたのが、中央区新川にある於岩稲荷神社だそうだ。現在はふたつのお岩稲荷があるのだ。

あとは、さらっと写真を並べておく。この後、坂だの階段だのを結構歩いたので、それらの画を。
通った順に左から……。

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【写真5th】新宿区愛住町の暗(くらやみ)坂。坂を降りたら靖国通り。
【写真6th】新宿区住吉町の階段。登り切ったところが市ヶ谷台町。
【写真7th】新宿区西早稲田3丁目の階段。降りたところが新目白通り。写真の奥が神田川に架かる曙橋になる。
【写真8th】豊島区高田2丁目ののぞき坂。23区内随一の急坂だ。登って少し行くと目白通り。千歳橋の東側に出る。そこに副都心線雑司ヶ谷の入り口があって、ゴールとした。

11691歩。

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コメント

四谷怪談の件は全く知らなかった。

もともとは、セレブゴシップみたいなものだ

ったのかしら。

成功した人間への、妬みから引きずり落そう

とする大衆心理から生まれたものなのかし

ら。

投稿: mina | 2009/06/28 14:34

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