鉄板焼 > 「Kurosawa」
黒澤グループ。
麻布十番商店街のはずれにある「饂飩くろさわ」には行ったことがあった。今回は、すいぶん背のびして、築地の「鉄板焼 Kurosawa」にお邪魔した。
実は、建物の存在を知ったのが先だった。
あとから、ここが黒澤グループのお店だと知った。
昭和2年の建物で、中央区の指定を受けており、外観は保存管理されている。内部は補強工事等入っているとのことだが、昭和の、いや遡って大正ロマンの雰囲気をそのままに、素晴らしい内装となっている。
さてディナーである。
アミューズから……
■温かいカキとホウレン草のフローレンス風と京都聖護院カブラの春巻き風
左、牡蠣はクリームの下に隠れている。
右が……、中身が何であったか(白身魚,帆立,サーモン?)忘れてしまったけれど、皮の部分は聖護院カブラ。
ちなみに、牡蠣やホウレン草がNGの場合は、こちら
牛タタキにチェンジ。
■フレッシュフォアグラとアンコウのポアレ
メニューの正式名称は「ゴルゴンゾーラチーズと生姜風味のバルサミコソース クリスピーなポロネギと冬のクリュディテを添えて」と続く。
彩りあざやかなひと皿である。
■つくば産鴨のダンプリングとポルチーニのパイ包み焼きスープ
パイ生地を破った瞬間にポルチーニの香りがひろがる。
スープは透明で滋味深く、旬である鴨の旨味を引き出していた。
次はシーフードの焼き物になるが、2種から選ぶプリフィックスとなっている。
2名でお邪魔したので、それぞれ違うものをオーダーした。
ちなみに、調理前の状態がこちら↓
■鮑 シェフのインスピレーションソース
この日のソースはドライトマトやケッパーで作るタップナードソースに塩昆布を合わせたもの。
塩昆布から手作りで、その昆布の旨味がオイルににじみ出すのに時間がかかるため、寝かさないと味がまとまらないそうだ。
――いやいや、手がこんでいる。
■伊勢海老
こちらのソースには帆立が忍ばせてあった。クリーミーな甘みとコクが海老の香りとぷりっとした食感に良くあっていた。
■季節野菜のソテー
野菜にもぬかりはない。
料理長さんが“ベジタブル・マイスター”であるのだ。
アミューズで使用された聖護院カブラもその一例であるが、ここでは左手の緑のお野菜に注目。沖縄の四角豆(別名、ウリズン)である。
こちらがメインのステーキの付け合わせにもなる。
(付け合わせの主菜、もやしは後から添えられる)
そのメインは3種から選ぶ。
黒澤特選黒毛和牛のフィレ(100g)、もしくは、サーロイン(150g)。もうひとつは、熊本県産あか牛のサーロイン(150g)。
もちろん、焼き方も注文できる。どちらもミディアムレアで頼んだ。
“あか牛”って?? 熊本県畜産農業協同組合連合会のページをリンクしておく。
◆付けダレ
左から――。甘みが勝った優しい、野菜ダレ。真ん中が葱油と胡麻油と塩をブレンドしたもの。芳醇濃厚。
右はタレでないね。薬味だ。
ワサビに塩、上ふたつは見たまんま。
左下が柚子胡椒。右下は、まぁ、味噌であるが、仕事が施されており、八丁味噌・金山寺味噌・糀がままの西京味噌、それを赤ワインでまとめたもの。
タレと薬味のコンビネーションも試せるよ。でも、肉片が足りなくなっちゃうので注意して!
――ワイン。
結局この日は白でいったのだった。(乾杯はCavaだったけど)
ソーヴィニヨン・ブランとセミヨンのブレンド。「ファインズ」輸入のものだった。
お店ホームページにあるワインリストはほんの一部。
チョイスに迷うこと必至だ。
■お味噌汁
これって、お品書きにあったけ?
嬉しい不意打ちだね。伊勢海老のお出汁が、じゅわ~~。
■青森産ニンニクの変わりガーリックライス
上のクレープ状のものはご飯からつぶして作ったお煎餅的なもの。
半分ほど食したあとに、お出汁をかけて、出汁茶漬けにする。
写真も撮ったのだが、旨きたない画になったのでUpは自粛。
2階には他に半個室、茶室をリフォームした個室がある。
2階のラウンジ席に黒澤明氏の絵コンテレプリカがあった。
映画 『夢』 のものだそうだ。スゲーッ。
個室には 『乱』 の絵コンテレプリカがあった。たまたま空いていたので拝観が許されたようである。
写真も撮ったのだけれど(ヤッタ~~!!)、個人的に愉しむことにする。
観たければ、個室を予約すべし。
鉄板焼屋さんて、デザートで場所を変えて……、っていうパターンが多くない?
「Kursowa」は大正ロマンの中で、それをスマートにやるものだから、もう焦っちゃう。
1階のコースから、トータルで素晴らしい演出だった。
……そう、 『夢』 のような。
築地鉄板焼 Kurosawa (鉄板焼き / 築地駅、新富町駅、東銀座駅)
夜総合点★★★★☆ 4.0
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