半世紀超 > 「玉屋」
十条駅からパワフルな十条銀座商店街を抜け、道なりに十条富士見銀座に入ってちょっと行った右手、そこに昭和32年より創業の「玉屋」がある。
入り口の『最高の味 担々麺』が気になった。そのくせ、半チャンセットも超気になって……
お店に入ったら、並ぶ短冊に目が泳ぎ……
ダメだこりゃ。迷いっぱなしだ。
■坦々麺
辛味や香辛料より胡麻の風味を大切にした仕様。おそらくスープのベースはラーメンにも使うであろう清湯。
挽肉ではなくバラ肉というのも、親しみを覚える。
たっぷりスープに沈んで見えないが、麺は中細縮れ。スープとのバランスは間違いない。
タンメンに胡麻の風味と辛味をプラスしたような逸品だ。
■半チャンハン
短冊にもあったように“チャンハン”と呼ぶ。
ぱらぱらと米粒がほどける“炒飯”ではない。
空気を含んでふかふかとした柔らかい“チャンハン”である。
――初めての味と食感で驚いた。
わがまま言って、坦々麺と半チャンハンをセットで頼んだのだった。(計¥960)
自分の定石では、坦々麺には白飯を当てるのだが、結果、これで良かった。
優しい坦々麺であるからだろうか、チャンハンのスープとしてピリッとした坦々麺スープが、おかずとして坦々麺の具が、成立してしまう。
『孤独のグルメ』の井之頭五郎風に独白すれば、「これ、正解だ」とか「うん、ありだな」となる。
じっくり愉しんでいたら、ご年配のおばあさまがお一人様で訪問。
このご婦人、昔から「玉屋」を愛用しているのだろうな……、そんな感じだった。
お会計時、昭和32年創業等の話をうかがった。
その時、女将さんが言ったのだ。「二代目がいないのよ」って。
切ないな……、泣けてくる。
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