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「うえ村」 < 日本人に生まれて良かった

 

 四谷荒木町。―― かつての花街であり、現在でもその艶っぽさを引継ぎ遺す貴重なエリア。
Sugidaimon_st  杉大門通りを行く。ネオンがにじみ漂うこの雰囲気は独特だ。

 そのネオンが紛れるビルの片隅にうえ村があった。Noren

 気さくな店主と女性スタッフに迎えられ、カウンターに着いた。
 カウンターのみの小体なお店である。以前より予約はしてあった。
 店員は先のふたりだけ。コミュニケーションを図りつつ、手際よくさばく様は見ていて気持ちが良い。

 まずはビールを注文(写真省略)。
■すぐに、アワビが出された。Awabi
 お通し的な物かと思ったら、続いて3品。
■奥から、蛸の柔らか煮、雲丹と煮こごり、このこ大根。Zensai
 4品が揃って、前菜盛り合わせ的仕様となる。
 煮こごりは柑橘系の香りが立っていて、雲丹との相性がバッチリだった。

 これは日本酒でいかないと!
 ビールを早々に切り上げ、日本酒に変更した。

Syuki  この日の日本酒の品揃えは3品。
 写真は田端酒造の「羅生門」
 このあと(お代わりもしつつ)、富久千代酒造の「鍋島」白滝酒造の「湊屋藤助」と続き、結局3品ともいただいた。

 ではあとは、サーブされた順にお料理をずらずら~っと。(正式料理名は不明。自分が便宜上そう名づけただけなので……、あしからず)

■お造りOtsukuri
 目の前で――カウンターでのオープンキッチンだから当然だけど――ザクザクと豪快かつ繊細な骨切りを見せてもらったハモが右側、左が関イサキ。奥はマグロ。
 大葉の裏に隠れた薬味は葱とスプラウトを和えたもの。
 付け合わせの海苔はマグロと合わせる。
 こういった↑ちょっとしたサービスが嬉しい。

■椀物Botanhamo
 ハモを牡丹の花に見立てた一品。
 骨切りされたハモが出汁の中でふわっと花開く。

■賀茂ナスと雲丹Nasu_uni
 雲丹は前菜で使用されたものと同一。根室の無添加雲丹。
 賀茂ナスの甘みと雲丹の甘みが渾然一体となって口中に広がる。

■若狭グジの焼き浸しWakasaguji
 こちら、築地で仕入れた物ではない。関西から直送されたもの。
 店主曰く、獲って間もない状態の良いときに塩〆されたグジが一番美味い、とのこと。

 店名からリンクを貼った『東京カレンダー』の記事を読めば判るが、店主は京都『あと村』での修行経験を持つ。その頃からのツテがあるのか??
 野菜に関しても基本、京都から取り寄せた物を使用している。

■黒毛和牛サーロインの炙りKurogewagyu
 上にのった緑の物は花山椒。
 4~5月上旬にしか取れないという花山椒を贅沢にあしらった一皿。
 この季節にしか食べられない、そう思うと美味さ倍増。いやいや本当に、スゲー美味い。

■白ズイキの炊き合わせTakiawase
 最後にふる生姜汁が、爽やかな演出。

■酢の物Sunomono
 ハマボウフウ、赤貝、鳥貝。
 ジュレ状のポン酢でいただく。

■ハモの照り焼き丼Hamoterid
 外がカリッ、内がフワッ。タレの香ばしさものっている。刺身、椀物とはまた違うハモの美味しさを知らされた。
 付け合わせ、自家製キュウリのお新香も美味。鰹節の風味がのっている。
 お味噌汁は海苔の味噌汁だったかな。(記憶曖昧、多謝)Misosiru

■おこげOkoge
 言い忘れたが、先の照り焼き丼のご飯は土鍋で炊かれている。
 コースの進捗に合わせて、見事にJust-in-timeで炊きあがったご飯の、そのお焦げ部分を別皿に盛って提供する。

■デザートMonaka
 自家製バニラアイスと宮崎マンゴウ、そこに15年物のシェリー酒を注ぎ最中にしていただく。
 食材のバイラアイス・マンゴウ・シェリー酒、これだけに注目すると、フレンチかイタリアンか、という感じだが、最中にしたことで、ピシッと和食としてのラインが通った。

 先の土鍋ご飯やそのおこげもそうだが、コース全体を通して和食文化の素晴らしさを再認識させられた。
 料理の一つひとつに「これぞ日本料理」という技と熱意が込められていたように思う。――不覚にも“日本人に生まれて良かったなぁ”なんて思ってしまった。

 ミシュランひとつ★をいただいたとのこと。
 ……フランス人に本当に伝わったのかな?
 フランス人がフランス料理を「美味い!」と感じるその感動と、日本人が日本料理を「美味い!」と感じるその感動は、ちょっとレベルが違ってはいまいか?
 僕は、日本料理の美味さに、誇りすら覚える。
 かつての花街の片隅、「うえ村」で、僕はその誇りを感じることができた。
 “日本人に生まれて良かったなぁ”って、誇らしく思えたんだ。

 

 

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