「無窮花」 @ 六本木
韓国料理――単なる‘焼肉’ではなく本格的・伝統的な韓国の料理――が食べたくなって探したら、こちら「無窮花(ムグンファ)」がヒットした。
場所は六本木。ビルの2階にあって、目印はこちらの看板のみ。少々判りづらい。
店内は落ち着いた内装でシックな雰囲気。BGMもゆったりとしたクラッシックだ。
愼コースを注文した。店主の名前を冠したコースだ。
■人参酒
コースに付いている食前酒。
苦い。薬膳酒だね。度数も高そう。
先のドリンクメニューには載っていないが、別にアルコール類のリストがあって、後は白ワインに変えた。
ピエール&レミー・ゴーティエ シャルドネ。果実香がふわりと香る呑みやすい辛口。
しかし、残念なことにワイン/酒類の品揃えは豊富ではない。
■お通し
こちらはコースのメニューには載っていない。「お通し」と言われたので、酒類をオーダーしたら出てくる物なのかも? (未確認、ご容赦)
スタイルは前菜の盛り合わせ。
韓国料理ではそうは言わないであろうが、“アミューズ”だね。
■カボチャのお粥
丁寧に濾されているよう。つぶつぶ感は皆無。自然な甘みが心地よい重みで舌に広がる。
■白キムチ
具は、キュウリの他に大根と梨。
漬け込んだ野菜をスープと一緒に食べるのが韓国での一般的ないただき方だそうだ。
中に葱と生姜が沈んでいるのだが、それは香り付けのために入れてあるのか、「食べないで」とアドバイスがあった。
自分、いつも具しか食べていなかった……、そうか、むしろスープを味わうものなのかも。勉強になった。
■九節板(クジョルパン)
お祝いの席で供される料理とのこと。
こちら八角形のお盆は九節板専用のもの。中央に生地に周囲の具材を包んで食べる。味付けは写真右の甘辛いジャンをつかう。
↑こんな感じ。
こう云うのって、愉しい。日本の手巻き寿司に雰囲気がちょっと似てるかも。
クレープのような生地はひとり4枚(確か)サーブされている。また、一枚ごとにかいわれ大根が挟まれて取りやすくなっている。
■冷菜
サラダ。ドレッシングが韓国風(胡麻油使ってる??)。
■チャプチェ
牛肉を使ったオーソドックスなチャプチェ。
辛味はほとんどない。柔らかな味付けだ。
■パジョン(つけダレはフレームアウト)
日本では“チヂミ”と呼ばれることがほとんど。
調べたら、チヂミとパジョンは本来別物――
かつて庶民の食べ物であったチヂミが、貴族らの手で発展したものがパジョン。
チヂミは小麦粉生地、パジョンは米粉(上新粉)生地、という違いもあるらしい。
葱と牡蠣のパジョンであるが、つなぎである生地は最小限。ぎっしりと葱が圧縮されている。
そもそも“パ”は韓国語で「葱」、“ジョン”は「焼き」の意味であるから、直訳の「葱焼き」そのもの。
■ケジャン
蟹のキムチ。生の蟹を漬け込むのがセオリー。
殻ごとしゃぶりつけば、爽やかな辛味と複雑で奥深い蟹の甘みが瞬時に口中に広がる。
Webのメニュー案内ではユッケが載っているのだが、生肉に関する例の‘御触れ’でNG。代わりにケジャンになっているそうだ。
ケジャンでイイじゃん!
■イカのチョッカル
韓国風イカの塩辛。お通しでも似たような品が出ていたが、あちらはタコのキムチ。
さ~て、焼肉モードに突入!
テーブルの中央には炭を使用するコンロがセットされている。
それぞれにレモンや専用タレが付く。
焼いているところや焼いた後の写真も撮ったのだが、写真ばっかりになるのでUpは控える。サシの入った良い感じの肉である。画は好みの焼き加減に合わせて想像すべし。
■キムチ盛
焼肉モードに合わせて、こちら。定石の三品である。
■神仙炉(シンソルロ)
コースの目玉。
写真は二人前。パジョンがアレンジされ、見目麗しく円弧を描いている。
蛤や海老も入り、スープは未体験の味。
取り分けが意外に難しい。円筒に付くと熱で焦げ付くし、よもやすると中央噴火口(?)に食材を落としたりして。
それもまた愉しいのだが、お店のスタッフさんが取り分けてくれるのでお任せしてしてしまってもよい。
■石焼ピビンパ(甘め・辛め、二つのジャンがフレームアウト)
ご飯少なめにしてもらった記憶がある。
ボリュームたっぷりのコース、流石におなかいっぱいだ。
料理長にして店主のマダムは服部栄養専門学校専任教師として、韓国料理を指導している方。教鞭をとって30年超。六本木にお店を構えたのは18年前とのこと。(こちらのお店でも料理教室を開いている)
筋金入りの韓国宮中料理をいただいた。
朝鮮王朝のその文化の一端に触れ、味わい、堪能した。
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