「虎白」 @ 神楽坂
神楽坂 ――。和食では毘沙門天裏の「石かわ」が有名だが、「虎白」はそちらの姉妹店にあたる。
アプローチからコース料理が始まっているようだ。
カウンターに案内された。
メインの調理場は奥にあって、カウンターはシンプルで“凛”とした趣だ。
お店の解説は、店名からリンクの『東京カレンダー』にまかせて、早速、食べよう!
付き出したジャブからしてこれ↓。
■こうばこガニの茶碗蒸し
カニの甲羅をふた代わりに供され、写真はそれを開いたところ。
富山産のこうばこガニは内子まで使われている。軽やかにしてインパクトのある一品。
■あんきもと揚げ茄子の白味噌仕立て
白味噌には豆板醤、生姜が隠し味として忍ばされている。
アルコールは日本酒に……
◆右;飛露喜 左;日高見
ひとりで呑んだわけでないよ。
連れといっしょに飲み比べだ。あしからず。
■トラフグ白子
プッツとした表皮 ―― 醤油で焦げ目 ―― の下には、流れ出る白子本尊がある。
下のご飯は酒を含ませて蒸した餅米。白子を受け止める。
■まつばガニしんじょ
つなぎなし。白身魚とか使わずに、まつばガニだけで団子上にしてある。
出汁は言わずもがな。透明度と反比例するような旨味だ。
■鰤刺し
粗く降ろした大根と酢橘のジュレに、塩昆布を合わせ、これを刺身の“掛け布団”に。
刺身をこんなふうにいただいたのは初めてだ。
■牡蠣フライ
トリュフがなんともスペシャルだ。
手前は栗のフライ。
ここにさらに、鰹・昆布の出汁をベースに(くずでとろみの)クリーミーなトリュフソースをあしらう。
ソースのトリュフは醤油に漬け込んで味を染みこませてあるそうだ。
■フグ刺し
5日間熟成させた身とのこと。(“布団”に隠れて見みえないけれど)
細く切った白菜の軸、山芋、フグ皮を合わせ、“掛け布団”の方にはトビコを含ませてある。
次は器が可愛い一品。
■金目鯛の椀
カブと春菊が脇を締める。
金目鯛は千葉県産。
◆実は日本酒が切れて、先ほどから“鄙願(ひがん)”に変わっている。
たかね錦100%、新潟県は大洋酒造の日本酒だ。自分、初体験。
淡麗辛口系。どんな料理にも合いそうだ。
その鄙願が少し残って、〆前の別注(おまかせで)
■珍味の盛り合わせ
左から時計回りで、自家製からすみ、大根、自家製豆腐の味噌漬け、くちこ。
からすみは、二ヶ月目でちょっと浅めだが、これがまた良い感じ。
豆腐の方も二ヶ月は漬け込むそうだ。
手間も、時間もかけた珍味たちだ。
■カモご飯Up
60℃の米油でじっくり火入れ。柔らかな肉質のまま、旨味が詰まっている。
下には零余子(ムカゴ)が隠れている。
緑は芹(セリ)。トップは牛蒡の千切り。
これだけ細かな千切りだと、アクで指がまっ黒になるに違いない。
■デザート
ラム酒のジュレの下に、クリームチーズと柔らかい黒蜜寒天がひそんでいる。
黒豆の食感がアクセント。
いやいや、フックが効いた創作和食を堪能した。
お刺身を2回に分け、付け合わせのジュレを変えて出すなんて、構成がこっていた。そして、怒濤のメニューなのに、〆のご飯までぺろりといけてしまうマジック。
ご馳走様でした。
最後に、アプローチにあった駒虎を。
こちら高仲健一さんの作品。器類も高仲さんの作品が多く使われていたよう。
……そう云えば、神楽坂・毘沙門天の狛犬も虎(寅)だ。
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