「MAY」 @ 五反田
夏にいただいたディナー・コース。
ずいぶん遅れてのUpにて、失礼。
木々に隠れるようなお店ファサード、ちょっと珍しい設え。
内装は天井が高く、シャンデリアもボリュームがあって、適度な緊張感を抱かせる。外観の自然に満ちた様相とはギャップがある。面白い。
コースリストを見ながら、ワインは何をいこうか迷う。
大トリは黒毛和牛、もしくは紀州鴨。赤で行く?
――と、一番下に小さく“ワインペアリング 5杯 7,000yen”の文字が。
Webで予習してきたのに、ワインペアリングがあるとは知らなかった。
予約していなくとも注文可とのことで、最初の一杯はシャンパンで行って、あとは5杯のペアリングをお願いした。
◆Dosnon & Lepage Recolte Noire
メニュー写真のトップにあるシャンパーニュ。
その解説にあるが、「エレガント」という表現がぴったりはまる逸品。
最近はピノ・ノワールであっても、白であったり、泡であったりと。――技術の進歩か?
インポータはテラヴェール㈱。
■アミューズ その1
イベリコ豚の生ハムとジャガイモのシュークリーム。
■アミューズ その2
左のフランはパプリカだったかな?
右は水ダコとセロリのマリネ。胡麻油少々、ガーリックも効いている。
ワイン1杯目。
◆Franz Keller Oberbergener Bassgeige Grauburgunder
ドイツのピノグリ。メニュー写真、白ワインのトップ。
果実味豊か、酸味まろやか、ボディもしっかりあって美味し。
インポータは㈱フィラディス。
■アミューズ その3
ガスパッチョのようなスープ。
スプーンに気を取られて、メモし忘れ。
見てみて、先がヘラのようになっていてスープが掬い易い感じ!
■枝豆・ムール貝・雲丹・牡丹海老
海鮮のカクテルのよう。
枝豆ムースの下は甲殻類ソース、アメリケーヌのジュレ。
隠れてしまっているけれど、けっこうゴロゴロと具だくさん。
上に散っている“しその実”がアクセント。
ワイン2杯目。
◆Marcel Servin Ratafia de Chablis
次のフォアグラに合わせて、甘めのシャブリをチョイスしてくれた。
生産者のセルヴァン氏はこちらのお店を来訪したことがあって、オーナー・シェフ岩田氏とコラボしたそうだ。
お店ホームページを見れば分かるけれど、「MAY」ではワイン生産者さんを招いてのワイン会とか、ちょくちょく催されるようだ。
インポータは三幸蓮見商店。
法人向けの英会話スクールも経営している。
この後、登場するワインは全てこちら蓮見ワインさんのもの。
シェフ、「モナリザ」時代からのお付き合いかな?
■フォアグラ・イチジク
手前は蜂蜜のビネガー。奥に胡椒と塩。
一番下にパイ生地的なものがあって、その上にタマネギのコンフィ、フォアグラ、イチジクのジャム、フレッシュ・イチジクと積み重なっている。
なるほど、ワインが凄く合っていた。
■鮎・辛味大根
鮎が見えない!
鮎の下には麺状のキュウリ。鮎の上にはパリッとしたジャガイモ。その上に辛味大根。 いろいろな食感が層を成すようだ。
右は“うるか”。鮎の塩辛だ。
そして、下に広がっているソースが驚くほどタイプ、美味い。
これに合わせるワインが、また素晴らしかった。
ワイン、3本目・左と4本目・右。
左から。
◆Vignobles Nathalie Theulot Cote Chalonnaise
Webで調べたら、『シャルドネ100%。年産4000本』。
右。
◆Ch. Vignol Entre Deux Mers
同、『ソーヴィニヨン・ブラン75%、セミヨン17%、ミュスカデル8%』
左のシャルドネの方はバランスが良くて、鮎に合わせやすい。
右のソーヴィニヨン・ブランは“うるか”用とのこと。
ワインペアリングで、ひと皿に二種のワインが出てくるなんて、初体験だ。
メイン。先に切り分ける前の紀州鴨ブロックのお披露目。
メニューに書き添えられた“エトフェ”とは“窒息死”の意味。
血が躰から流れ出ることがなく、血液の旨味がしっかり残るのだそうだ。
しかも、こちらの鴨肉、お店で1週間熟成させているそうな。
これに合わせるのは――。
ラスト、5杯目。
◆Ch. de la Liquiere Faugeres Vieilles Vignes
メニュー写真、一番下のワイン。
Webで調べたら『フォジェール・ワインの最高峰』的な評があった。
確かに、スムースな飲み口なのに複雑なアロマと力強さが圧倒的。
■紀州鴨エトフェ<クラシック>
エトフェ鴨を堪能できる逸品。
実山椒がカウンターで効いている。
鴨と野菜たちを交互に……。やばい、ワインが無くなりそう。<モダン>が来るのに。
■紀州鴨エトフェ<モダン>
ビジュアルが美しい。
中はハツ・レバー・砂肝。下にジャガイモのピューレ。
美味い。血が美味いのか。
鴨に合わせて、自家製ミルクパンがサーブされたのだけれど、写真撮り忘れ。
以上。
それぞれの料理のクオリティも凄かったけれど、ひとつの食材を<クラシック/モダン>二つのスタイルで提供する演出には感動した。
ペアリングの妙も存分に愉しんだ。
――ふと思った。
ペアリングが愉しかったには違いないけれど、そうすると1本のワインが時間を経て変わっていく様は愉しめないのね。
いただいたワインがどれも魅力的だったから、そんなことを思っちゃたのかな。
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