「田舎っぺうどん」 @ 熊谷
仕事で熊谷に向かった。
昼食で、上司が“気になるお店がある”と言うので、足を運んでみた。
その名も「田舎っぺうどん」。
あとから調べって判ったことだが、熊谷を中心に加須、北本、上尾にグループ店を展開する大手。創業45年を数えるそうだ。
店内、活気がある。
スタッフさんたちの流れるような所作。見惚れてしまう。
卓上にはこしょう、胡麻、七味唐辛子。
奥のメニューを手に取り、オーダーに迷う。
迷うのもまた楽しい。
「名物」の文字に惹かれて、
■半きんぴら
極厚に切られている。
牛蒡の甘み、香りがガツンと味わえる。もちろん人参も。このコントラストはきんぴらの醍醐味だ。
温かいつけ汁うどんから、
■うま辛肉・大もり
うどんは角のエッジが残っっている。見事な手打ち。
茹で加減は好みによって選べる。柔らかい麺も美味いしね。
熱もりも可能。
つけ汁はやや細かに切られた豚肉がいっぱい。
この大きさが良いのかな。豚肉の甘さが辛さの中に優しい輪郭として現れる。美味し。
こちらは同僚が注文したもの、同じく温かいつけ汁うどんで――
■塩肉ネギ
塩ベースの澄んだスープだ。
(スープはなに何出汁なのか? 鶏?)
こちらには胡椒が合うそうで、美味そうに頬張っていたぞ。
会計時に撮っ写真をいくつかUpしておく。
なんと、うどんやきんぴらだけでなく、つけ汁までがTake-Out可能。 こしょうや自家製唐辛子まで売っている。こしょうも自家製ってこと!?
食べ終わって、不思議な郷愁感につつまれていることに気がついた。
――そうか、これって「武蔵野うどん」だ……
日本全国にご当地うどんがある。
有名なところだと、香川の讃岐うどん。秋田の稲庭うどん。前者が“手打ち”、後者が“手延べ”の代表格かな。
他にも……、長崎の五島うどん、富山の氷見うどん、三重の伊勢うどん、群馬の水沢うどん。愛知名古屋の味噌煮込みうどんを挙げる人もいるかも知れない。
で、関東武蔵野台地では小麦を作るところが多く、地粉の文化が発展した。そのうどんを「武蔵野うどん」と呼んだ。
Wikipediaで「武蔵野うどん」を引くと、“普及範囲”の項にこう記されている。
『武蔵野とは、狭義には「埼玉県・川越以南、東京都府中までの間に拡がる地域」、広義には「武蔵国全部」ともされているが、「武蔵野うどん」の特徴を備えたものは、多摩地域の北部(小平市、東村山市、武蔵村山市、東久留米市、清瀬市、西東京市、東大和市など)から埼玉県川越市付近までの武蔵野台地上のエリアを中心に、北は埼玉県北本市や加須市、熊谷市、比企郡、東はさいたま市大宮区など、埼玉県の平野部全体に見られる。』
この後半部分、これはここ「田舎っぺうどん」のことを指して言っているのではなかろうか。
「田舎っぺうどん」は武蔵野うどんの正当なる継承者に違いない。
| 固定リンク
「美食探訪」カテゴリの記事
- 「木の実」 @ 小岩(2021.10.31)
- 「カレーハウス林」 @ 芝公園(2021.09.15)
- 「味の萬楽」 @ 秋葉原(2021.08.15)
- 「きりん珈琲」 @ 梅屋敷(2021.07.31)
- 「巴屋」 @ 東松原(2021.06.14)
「戯言淡々」カテゴリの記事
- 「巴屋」 @ 東松原(2021.06.14)
- 「尾張屋」 @ 若松河田(2021.04.28)
- Come,Spling! @ 氷川台「よし野」(2021.03.04)
- 「廣寿司」 @ 東向島(2020.11.08)
- グラス酒 @「いなほ」(2020.10.31)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント